東京するめクラブ 地球のはぐれ方
名古屋、熱海、ハワイ、江ノ島、サハリン、清里を、ムラカミ隊長と「東京するめクラブ」が徹底探検。近場の秘境、魔都、パラダイスでの驚天動地の発見満載の旅行記。『TITLE』連載を単行本化。
「このメンバーで、なぜ今さら&わざわざこんな場所を旅するの?」
思わず頭を傾げたくなってしまうようなベタな観光地巡りの書なのである。
3人が訪れるのは、ブームを先取りしたような名古屋は別として、
かつてのスタンダードから転落し、秘境と化してしまった土地(観光地)ばかり。
だけど3人の、一見つまらなそうな場所に行ったとしても、
何かしら面白いものを見つけよう、貪欲に楽しもうとする姿勢は、
「時代の波から取り残されてしまった場所ばかりじゃないか!
今さら行ったとしても、どうせ楽しめないに決まっている!」
誰もが抱いているそんな先入観を、見事なまでに打ち砕いてくれるばかりか、
「おぉ。どこも意外と楽しそう&頑張ってるじゃん!私も旅したいぃ〜♪」
かえって旅情へと誘ってくれるのである。不思議なぐらいに。
(よくよく考えたら私、旅先である6ヶ所の内、実際に訪れたことがあるのは
江ノ島だけ、だったりする。清里じゃなく清泉寮には、行ったことがあるけど)
久しぶりの村上春樹さんのエッセイが心地良い、ゆるゆるの旅行エッセイ。
旅の反省会のような座談会も、いとおかし(笑)。
でも本当のところは、都築さんの後書きにあるように、
なにも熱海や江の島を「次の夏休みにはぜひ」とお勧めするためなのではなくて、「幸せの敷居を低くするのが、人生をハッピーに生きるコツなのかも」と提案してみたかっただけだ… (p.382)
それが、読者へのメッセージなのかもしれない。
それにしても…
名古屋に行って味噌煮込みうどん食べたいー!モーニング食べたいー!
熱海に行って熱海秘宝館行きたいー!(笑)熱海ナイトクルーズしたいー!
ハワイに行ってマイタイ飲みたいー!ヴォルケーノ・ロール食べたいー!
江の島に行ってローマ風呂に入りたいー!のら猫と遊びたいー!
サハリンに行ってカニ食べまくりたーい!トド見たいー!
ぜいぜいぜい(笑)。