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皆川博子『愛と髑髏と』

4875194684愛と髑髏と
皆川 博子
光風社出版 1984-12
by G-Tools

「庭は、寝がえりをうって、背をむけた。…庭にまで馬鹿にされるのは、いい気分ではない」(「風」)。日常と非日常が交錯する摩訶不思議な世界。燦然ときらめく光彩は、血を浴び、呪いを込め、人を魅了する…。妖しく、強烈な輝きを放つ8篇を収録の幻想小説集。

昨年から、地味に“皆川博子作品全部読もうぜキャンペーン”を実施中で、
そのキャンペーンの一環として読書した。
服部まゆみさんの解説つきの文庫版も入手したのだが、
今回読んだのは図書館で借りてきた単行本版。
そしたら!装幀が司修さんじゃないか!
妖しく美しく、でもこっそり毒を忍ばせている皆川ワールドを的確に表現していて
なんて作品にぴったりな装画なんだろう。うっとり。
単行本もいつか必ず手に入れて、カバー引っぺがしてカバー下を見るぞ!と、
固く心に誓った私です(笑)。

八編収録された短編集。いずれも美しくも禍々しくて
まさに“愛と髑髏と”のタイトルが、ぴったりくる物語ばかり。
日常と非日常が交錯する物語に、最初から最後まで幻惑されまくり。
極上の甘美な悪夢のような物語を美味しくいただいて、大満足。

JUGEMテーマ:読書
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author: 七生子
作家は・ま行(皆川 博子) | permalink | comments(0) | trackbacks(0)
 
 

皆川博子『猫舌男爵』

 「猫舌男爵」とは、棘のある舌を持った残虐冷酷な男爵が
 清純な乙女を苛む物語…?
 爆笑、幻惑、そして戦慄。小説の無限の可能性を示す、瞠目すべき作品世界。
 表題作ほか4編を収録した短編集。
 

作家皆川博子にはさまざまな側面があるけれど、
中でも、幻想&耽美小説的側面が前面に出ているような作品集だ。
読んでいる内に、現実とも夢想ともつかない不思議な世界へと、
たちまち惹き込まれてしまう。
毒を含みながらも甘美な世界に、幻惑される。うっとり(*^^*)。

水葬楽
容器の中の養水に漂う人の姿に倉橋由美子『ポポイ』を想像した。
少女の目に映る世界は静謐で美しい。
だけどそれは少女の存在自体が在るのにないとされ、隔離し隠蔽されているが故。
BGMならぬBGPとして仏蘭西詩が随所に挿しいれられているのだが、
少女の行く末を暗示しているかのようで、なんとも物悲しい。

猫舌男爵
「猫舌なのが唯一の欠点な男爵のコミカルな顛末を描いた本なの?」
そう思いながら読んだのがだが、どうしてどうして(笑)。
おそらく東欧に住む青年やん・じぇろむすきが、
偶然古本屋で日本人作家ハリガヴォ・ナミコの『猫舌男爵』という短編集を入手し
翻訳して出版した事から物語は始まる。
彼の「訳者あとがき」があちこちに投げかけた波紋を、
コミカルに(少しの毒入りで)描いた短編集。
いやいや。異文化コミュニケーションは大変だ(笑)。
噛み合わずちぐはぐな様子に、ついつい笑みがこぼれてしまう(笑)。
そもそも発端となった針ヶ尾奈美子の作品集『猫舌男爵』が是非読んでみたいッ!!
(「皆川博子」のアナグラムと見た/笑)
あ、山田風太郎の著作に
「THE NOTEBOOK OF MILKY-WAY¥¥¥'S NIMPO」ってあるんでしょうか???

オムレツ少年の儀式
理不尽で醜い大人の世界を目の当たりにする内に、少しづつ少年は変わっていく。
少年から大人へ。
押し付けられたモノへの反発、そして少年が自らの意志でとった行動とは。。。
束縛されず自由であることには、それなりの代価が必要なんですねえ。

睡蓮
「あまりにも近くに居すぎたせいで、結局は偉大なる芸術家によって
潰され、そしれ狂気に陥ってしまった才能の悲劇」の物語。
時間を遡るうちに、次第に明らかになる事実。
人の尊厳すら剥ぎ取られた老女に、かつてあった輝かしい栄光の日々が
次第に鮮やかに蘇ってくる。
そのさまは、まるで色が失われた世界に、徐々に色が戻ってくるかのよう。その驚き。
作者は湯原かの子の評伝『カミーユ・クローデル』 に示唆を得て執筆したのだとか。
なるほど。忘れずに読んでみようと思う。チェックチェック!!
読み終わってからも、心にくっきり青い太陽、そして青い睡蓮の絵が残って離れない。

太陽馬
現在、過去、そして物語の中の世界が微妙に絡み合っていて、その境目が曖昧だ。
戦火の中が現実、なのにどこか非現実めいた不思議な空気が漂っている。
殺戮の無意味さ、空虚さを誰もが知っていながら、
過去も、そして現在でさえも殺戮は終わらない。
それはあたかも「太陽馬」を手に入れんとするかのよう。
まるで「太陽馬」に操られているかのようだ。

読み終わって、皆川博子が構築した甘美な世界に思わずクラクラ。
舌に残るほろ苦さにまで甘美に思えるほどだ。
幻想&耽美小説好きな方には、ぜひともオススメしたい作品集かと。



皆川博子『猫舌男爵』講談社
author: 七生子
作家は・ま行(皆川 博子) | permalink | comments(0) | trackbacks(0)
 
 

どこまで行ったらお茶の時間

本を買うのも読むのも借りるのも大好き!
とにかく本が好きな私七生子が、読了本の感想など綴ってます。
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