スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -
 
 

長嶋有『泣かない女はいない』

泣かない女はいない
泣かない女はいない
ごめんねといってはいけないと思った。「ごめんね」 でも、いってしまった…。恋をめぐる心のふしぎを描く小説集。「泣かない女はいない」「センスなし」に加え、カヴァー裏に掌編「二人のデート」を収録。

描かれているのは、特別なことなどない、ごくありふれた日常の姿で。
日常を過ごす中で起こる出会いや別れといった変化に心揺れ動く女性の感情を
繊細に、でも饒舌にではなく描いているところが好ましいと思う。
収録されている2編とも主人公が多くを語らず、
言葉にできずに飲み込んでしまった思いが胸に染みてしみじみと切ない。
それゆえなのか。その後の彼女らの人生について、あれこれ想像してしまって。
じんわり心地良い余韻が、いつまでもいつまでも胸に残って後をひく。

派手なところがまるでないどちらかというと地味な小説だけど、
何度も何度も噛み締めるごとにじんわり味がでてくる不思議な小説かと。
ようやく私も、長嶋有の作風に慣れてきたのかしら?今後の作品にも期待です♪
(カバー裏のお楽しみ「二人のデート」は図書館本ゆえ読めず(号泣)。
 ぜーったいにいつか読んでやるぅ!!)
author: 七生子
作家な行(長嶋 有) | permalink | comments(1) | trackbacks(1)
 
 

長嶋 有『パラレル』

パラレル
パラレル

のほほ〜んと流れていくバツ一男の日常を描いている作品なんだけど、
同時に、離婚小説でもあり、男同士の友情物語でもあり、
恋愛、夫婦、90年代へのノスタルジィー…色んな要素が詰まってて、
そのいちいちが妙に面白かった(笑)。
『ジャージの二人』では薄ぼんやりした「嫌な予感」として置かれていた
「離婚」ではあるものの、
離婚後、いい感じに力が抜けて、生活を楽しんでいるさまを見ると
「余分なモノを捨ててすっきり身軽になれるなら、離婚っていいかもしれない」
そう思えてくる(←おいおい^^;)。

でも、私が一番気になったのは津田との友情(くされ縁)かな。
この津田という人物が、まさしく森脇真末味『おんなのこ物語』に登場する
仲尾のイメージでぴったりなのだ(*^^*)。
ので急遽、主人公向井七郎を八角に変換して、読んでいたといふ(笑)。
ほら、津田って“性格が才能”の人間でしょう。
陽性の行動型人間が陰性の思考型人間を引きずり回してるトコもソックリ!!

そして、何気ないひと言から、過去の記憶が呼び覚まされる事は
日常的によくある事だけれども、
それを小説の中で実践しているところが、ユニークな作品でもある。
物語が日記スタイルだからこそ、使える手なのね。なるほど!!


p.50やらp.58を読んでいたら、思わずうむむ?
「災害時の避難場所は「東大」です?も、もしかして…」
後で確認したら、やっぱりそう。長嶋さんとは同窓でした(*^^*)。
author: 七生子
作家な行(長嶋 有) | permalink | comments(2) | trackbacks(2)
 
 

長嶋 有『『ジャージの二人』

作家志望で失業中の僕。父は二度の離婚で慰謝料に追われているが、あまり働かない。そんな父と息子が携帯も届かない標高1100メートルの山荘で、アンチ・スローライフな日々を過ごすことに…。父との関係をジャジーに描く。

妻の不倫から、夫婦関係が破綻しかかっている作家志望の「僕」。
その現実を直視するのが怖く、妻との間の気まずい空気から逃避するために、
自分同様夫婦関係が円満じゃないらしい父と一緒に、現実から切り離されていて、
影響が及ばない安全な場所である避暑地の別荘に閉じこもる。
本人達にとっては至福の、親子2人共に暮らす1週間の生活ぶりが
淡々と描かれている。

日常があまりにも淡々としすぎ(苦笑)。
物語の起伏がなさすぎて、読み進めるのが、正直言ってとても辛かった。
面白くないんだもん。
ただ、父が取り出したどーみてもイマイチなジャージを嫌がらず、
それどころか面白がって着ているのに、「健康診断に行ってみたら?」
その一言が言い出せない微妙な父と息子の親子関係。
仲が良いようでどこかに屈託がある、2人の距離感に惹き付けられる。

「ジャージの二人」から1年後の「ジャージの三人」を読んで初めて
浮かび上がってくる事実があって、この何もなさすぎは、もしかしたら
嵐の前の静けさなのかなあと思った私である。
父と息子が過ごす、もしかしたら最後になるかもしれない人生の休暇の日々。。。そう思ったら、作品が醸し出すどこかほのぼのした雰囲気が
たまらなく心地よいものに思えてきた。
…もしかしたら、好ましい方向へと、深読みしすぎ?(苦笑)

装画の大島弓子さんのイラストが、とってもいい感じ♪
大島さんのイラストの雰囲気で読むと、とても堪能できるかも。



長嶋有『ジャージの二人』集英社
author: 七生子
作家な行(長嶋 有) | permalink | comments(0) | trackbacks(0)
 
 

どこまで行ったらお茶の時間

本を買うのも読むのも借りるのも大好き!
とにかく本が好きな私七生子が、読了本の感想など綴ってます。
ドンナ・マサヨの悪魔 六本指のゴルトベルク 遠くの声に耳を澄ませて 恋細工 ジョーカー・ゲーム きりこについて 山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)