ルピナス探偵団の当惑
津原 泰水
女流詩人の死に立ち会ったルピナスの娘たち。一見不可能に見える殺人事件。
仮説はことごとく破られる。真実を知っているのは犬だけ…なのか?
ミステリ界の奇才が贈る「しっかりミステリーなのになぜかコミカル」な物語。
最初は「ふーん。そもそもは講談社X文庫で発表されてたお話なのか」と
思いっきり先入観を持ちながら読んだら…
全面改稿されているとは言え、少女小説らしい設定を活かしたまま
立派に本格ミステリしていて
「お、おみそれしました」って感じ。小馬鹿にしててゴメンなさい。ぺこり。
ま、“どうしても彩子の知恵を借りなくちゃいけない”必然性が
あまり感じられないのが難と言えば難なのかしら。第1話なんて特に。
ただ、今回書き下しで収録された第3話「大女優の右手」なんて、
枕の話がこうも見事に絡んでくるなんて!と驚きまくり。
伏線の張り方がめちゃくちゃ巧すぎますぅ。
キャラ萌えするにはキャラが弱いかもしれないけれど、かけあい漫才みたいな
彩子&キリエ&摩耶の女の子3人組のおしゃべりは面白かったし、
「次回作も、ぜひ読んでみたい」と思わせるような魅力ある作品だったと思う。
X文庫をなめちゃいけませんなあ。。。
ささっ。古本屋を漁って、X文庫の“ルピナス探偵団”を買い集めるぞ!!
おぉ!!(X文庫なら、当然挿し絵があったハズ。誰が描いていたのかな?)