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瀬尾まいこ『優しい音楽』

優しい音楽
優しい音楽
受けとめきれない現実。止まってしまった時間−。だけど少しだけ、がんばればいい。きっとまた、スタートできる。家族、恋人たちの温かなつながりが心にまっすぐ届いてしみわたる。希望に満ちた3編を収録。

「優しい音楽」「タイムラグ」「がらくた効果」の3編収録された作品集。
収録作品のいずれも、読んでいる間は、作品が醸し出す独特のユーモア、
温かな希望の光が射し込み、照らされるようすにすっかり心奪われてしまって、
「なんて心温まる優しい物語なんだー(3編とも似た読了感なのが残念だけど)」
素敵な物語を読んだなと胸を熱くしたけど、、、、、、あれれれれ?
読み終えてつらつら反芻して考えると、読んでいる間は気にならなかった
「現実感のなさ具合」が、とんでもない欠点のように思えてくるから不思議。
“現実を直視したくなくて、覚めない甘美な夢にまどろんでいる”みたいな
甘い甘〜い物語のように思えてしまって(苦笑)。
「そうあったらいいな」という祈りも込められているんでしょうが、
できるなら、いつまでも解けない物語の魔法をかけて欲しかったな>瀬尾さん。

以下、ネタばれを含む、作品ごとの感想です。反転してますが、ご用心。




>「優しい音楽」

タケルと千波はひょんなことから知り合った。でも、恋人同士になっても
決して家族には紹介してくれない。なぜ?その理由とは?
これ、そんなに絶対の絶対の内緒にしておかなくちゃいけないことだったのか?
疑問疑問。最初から正直に打ち明けても、何の問題もなかったと思うけど。
[タケルと千波の兄はよく似ていて、そのタケルと恋人同士になる…近親相姦ですか。うきゃあ。でもね、息子を亡くした傷を癒して貰おうと懸命に振舞うタケルくんがいじましかったですよ。「俺は俺、別人なんだ。ちゃんと俺という人間を見てくれ」そう主張することもできたのに。お人よしだよね。都合のいい人すぎ。でも、ハッピーエンドで良かった良かった。でも、本当のハッピーエンドなのかしら?(←本人同士の問題ですって^^;)]

>「タイムラグ」

不倫相手の平太が妻であるサツキさんと旅行の間、その子供佐菜ちゃんを
預かることになってしまった深雪。
いくつもの印象的なエピソードを積み重ね、二人の間に次第に芽生えていく
温かな感情をほっこりと描いた物語。
途中までは、かな〜り好きだった。
深雪が佐菜ちゃんに、逢ったことがないライバル、妻のサツキさんの存在を見て
ちょっとしたところに優越感を覚える箇所なんか、すっごく可愛いと思ったし。
けど、二人で平太のおじいさんちに行くところから、もうダメダメだった。
[サツキさんに障害があると判ったからって、なんで塩を送るような真似をするんだー。深雪ったら、お人よしすぎ!都合がいい女すぎ!つか、サツキさんが障害者だと設定した時点で反則だと思った。なんかいや〜な感じ。ずるいよね、これ。お人よしの深雪のこと、戦わずしてこの勝負から降りちゃいそうなんだもん。身を引くことなく頑張って不倫関係を続けてって欲しいぞ!…あれれ?(汗)しっかし、佐菜ちゃんと深雪を仲良しにしてどうするんだか。不倫相手と不倫相手の子供としてではなく、対等な人間同士として信頼関係を築いたってことなのかもしれないけど、佐菜ちゃんにとっての幸せは、平太と深雪が別れることなのに。深雪に幸せが、ちゃんと訪れますように。]

>「がらくた効果」

物好きな同居人はな子が拾ってきたのは、ホームレスの佐々木さんだった…。
マンネリ化し、立ち止まっていた俺とはな子の関係に、
不思議な佐々木さんの存在が優しい波紋となって変化をもたらしてくれる、、、。
[作中では「佐々木効果」って云ってるけど、題名が(無言)。…佐々木さんってがらくたですか(汗)。そういう意味じゃないのかもしれないけど、そう意味をとられても仕方がないよ、これじゃ。嗚呼。生活力ゼロの佐々木さん。「スタート!」と同居生活を飛び出したのはいいけど、野垂れ死にしてなければいいんだけど。←おい^^;]
author: 七生子
作家さ行(瀬尾 まいこ) | permalink | comments(10) | trackbacks(6)
 
 

瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』

天国はまだ遠く
天国はまだ遠く
瀬尾 まいこ

 誰も私を知らない遠い場所へ、そして、そこで終わりにする−
 自殺願望の千鶴が辿り着いたのは山奥の民宿。
 そこで思いがけずたくさんの素敵なものに出逢って…。癒しと再生の物語。



そのものずばりの「癒しと再生」の物語。
『図書館の神さま』よりもクセがなくて、直球ど真ん中な感じ。
特別なところは微塵もないし、どこにでも転がってそうなごくありふれた物語なのに、
胸に響く物語にしてしまうのは、作者である瀬尾さんの力量、なんでしょうね。

思いがけず人と繋がる喜び、日常のさりげない些細なモノが、
美しく大事なのだと気づくこと、そして、私は独りじゃないし、
私だけの居場所があるんだと気づくこと。。。
読み終えた途端にじんわり温かいものが胸に広がり、
そして同時に、爽やかな風が胸の中を駆けぬけるようだ。

誰もが抱えている悩みを見事にすくいあげ「癒しと再生の物語」にした、
千鶴ちゃんと一緒に、元気になれる一冊かと。
清潔感があって、さらりとした感触で、ちょっぴりユーモラス。
でも心の琴線に優しく触れるちょっと素敵な物語。
瀬尾まいこの魅力が、ぎゅっと詰まったような物語かと。


『図書館の神様』の感想はコチラ
author: 七生子
作家さ行(瀬尾 まいこ) | permalink | comments(0) | trackbacks(7)
 
 

瀬尾まいこ『図書館の神様』

図書館の神様
図書館の神様
瀬尾 まいこ

サクサク読めそうだったので、帰宅してすぐに一気読み。
読み終わって「さぶ」と「夢十夜」がたまらなく読みたくなった単純な私(笑)。

不注意な言葉が原因で、ある少女を自殺に追いやった(らしい)過去を持つ清。
その一件で清を取り巻く環境は一変し、また自らの性格までも変えてしまう程の
大きな傷を心に残すことになる。
故郷から離れた海辺の町の、国語講師として潜り込んだ高校で、
ひょんなことから文芸部の顧問となる清。
たった一人しか部員(垣内クン)がいない文芸部の活動を通じて、
少しづつ変わる自分に気づく…。


心に大きな傷を負った清の再生の物語なのだけど、同時に、
私が今まで読んできた中で、至上最強の文芸部小説かもしれない!!
誰もが「国語教師とは、文学好きな人間がなるものだ」という
常識に近い思い込みを持っていると思うが、
「本なんて読んだこと、ありませーん」
真っ白な状態で体育会系人間の清が、見当違いの国語講師になったばかりか、
文芸部顧問までやらされてしまう皮肉(笑)。
最初は渋々活動していた清が、垣内クンに影響され、
少しづつ本に親しんでいく様子が、、、。
すみません。すっごく新鮮で可愛らしかったし、面白かったのだ。
ゲラゲラ&貰い感動でツーン。
文芸部の部活中の清と垣内クンの会話に、何度大笑いさせてもらったことか!

そして、本に親しんでいくのと比例するかのように、
清のずっと止まっていた時間が流れ出す。
過去の頑なだった自分とちゃんと向い合い、前向きに生きようと決意する姿に
静かな感動を覚えて胸がじーん(感涙)。

笑わせて、ちょっとしんみりほろっとさせる、
素直にいい話を読んだと思える作品だと思う。
押し付けがましところがないさらりとした文章が、読んでいてとても心地良い。
清の周囲に、かなり個性的な脇役男性陣が配されてるのも、魅力の一つかも。
(清と1つ違いの弟・拓実の姉弟関係がいい感じ♪
ま、垣内クンマイ・ラブですが/笑)

出来れば、普段からあまり本を読まない人にオススメしたい1冊かもしれない。
(本好きさんは、ますます「本が好きっ!」度が高まって耽溺しちゃうかも♪)
私にとっても、折にふれ取り出しては、何度も読み返したくなるような
特別な1冊になったと思う。
author: 七生子
作家さ行(瀬尾 まいこ) | permalink | comments(4) | trackbacks(5)
 
 

どこまで行ったらお茶の時間

本を買うのも読むのも借りるのも大好き!
とにかく本が好きな私七生子が、読了本の感想など綴ってます。
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