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絲山秋子『沖で待つ』

沖で待つ
沖で待つ絲山 秋子
文藝春秋 2006-02-23
売り上げランキング : 56490
おすすめ平均 star
star芥川賞を受賞するほど、働けていない作品。
star良かったけど、余りにも 短かすぎる
star全くくだらない
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仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そんな同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、私は彼の部屋にしのびこむ-。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く表題作のほか、「勤労感謝の日」を収録。

第134回芥川賞受賞作である表題作と、「勤労感謝の日」と
2篇収録された作品集です。
3ヶ月待たされた挙句、1時間弱で読んじゃったけど(涙)、
作者の持ち味が存分に発揮されていて、短いながらも深い充実感が。
うん。面白かった。この絲山作品、好き好き(はぁと)。

作者の経歴を知る読者は、この2篇の小説の主人公たる女性の姿に
作家絲山秋子を見て、にんまりしちゃうんじゃないでしょうか。
私は…当然したさ!(笑)
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author: 七生子
作家あ行(絲山 秋子) | permalink | comments(5) | trackbacks(4)
 
 

絲山秋子『ニート』

ニート
ニート絲山 秋子
角川書店 2005-10-29
売り上げランキング : おすすめ平均 star
star半年分の涙が出ました
starどうしようもない「気持ち」
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現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを完璧な文体で描いた傑作短篇集。
かけだしの女性作家と、会社を辞め、引きこもりをつづけて困窮を極める青年との淡い関係を描く表題作。大阪の彼女と名古屋の育ての母との間で揺れる東京のホテルマンを描いた「へたれ」他全5篇。気鋭の傑作短篇集。

『ニート』読み終わり。賛否両論あるようですが、私には、
小説の巧さはひしひしと感じるけれど、読者に不愉快な思いをさせようと思って
書いたんじゃないの?と勘ぐりたくなるぐらい、とっても悪趣味に感じられる短編集でした。
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author: 七生子
作家あ行(絲山 秋子) | permalink | comments(6) | trackbacks(7)
 
 

絲山秋子『逃亡くそたわけ』

逃亡くそたわけ
逃亡くそたわけ
もういやだと、福岡市内の精神病院から逃げ出した「あたし」は、躁(そう)に悩む学生、21歳。逃亡の道連れになった「なごやん」は、鬱(うつ)に悩む24歳のサラリーマン。地元っ子のあたしは博多弁一辺倒。名古屋出身なのに、なごやんはひたすら標準語にこだわる。奇妙なコンビは、絶えず襲ってくる謎の幻聴と闘いつつ、警察の目を恐れつつ、オンボロ車に乗り込んで、南へ南へ。川端康成文学賞受賞作家による、九州を舞台にした“ロードムービー”。

この作品にて、既刊の絲山秋子作品はコンプリート。
今までに読んだ作品の多くでは「車」が重要なアイテムとして使われてきたし、
『海の仙人』の作中、車で一路新潟を目指すシーンが大好きだったし、
この作品が九州を縦断するロードノベルだと知った時には、
今までの絲山作品のエッセンス&絲山さんが大好きなモノが
ぎゅっと濃縮されて詰っているのね〜と、とっても興奮したものです。

躁病の「あたし」と鬱病の「なごやん」の奇妙な二人連れによるロードノベル。
分る人にはよく分る病気の症状を抱えての逃亡劇は、どんよりして
重苦しくなりがちなんだけど、頻繁に挿入される「あたし」の博多弁と
「なごやん」の標準語による会話や、躁病ゆえのテンションの高さ、
「あたし」の謎の幻聴、Theピーズの歌などなどによって、
独特の雰囲気と不思議なリズム感が生まれて。
どこかポップで疾走感ある文体が、とても心地良かった(*^^*)。

21歳の夏の終わりと共に「なごやん」との逃亡の旅も終わりを告げ、
そこには、ちょっぴり成長した「あたし」がいた。
そうかー!病(=死)から、過去の自分からの逃亡の旅だっただけじゃなく、
将来を考える前向きな自分へと成長させるための旅でもあったのねー。
そう云えば、この作品でも「あたし」と「なごやん」の関係は友情以上恋愛未満。
いや。友情というよりも、長い旅の果てに芽生えた連帯感なのかも〜(苦笑)。
「これぞまさしく恋愛小説!」という恋愛ものは、書かれないのかしら。ぐすん。

しっかし。
「これでもう終わりなのー?」叫びたくなっちゃうぐらい短すぎ(涙)。
今度はじっくり読ませてくれる長編作品が読みたいなー。
そうそう。読んだら、この本をガイドブックにして(笑)、九州縦断の旅に
出たくなること、間違いなし!当然のように「車」で、ですよッ!
author: 七生子
作家あ行(絲山 秋子) | permalink | comments(7) | trackbacks(6)
 
 

絲山秋子『袋小路の男』

袋小路の男
袋小路の男
「あなた」とは指一本触れないままの12年間、袋小路に住む男にひたすら片思いを続ける女を描いた究極の純愛小説。川端康成文学賞受賞の表題作を含む3篇を収録した短篇集。『群像』掲載を単行本化。

表題作ほか3編が収録された作品集。
表題作と続編である「小田切孝の言い分」を“究極の純愛小説”と呼べるのかどうかの疑問は残るものの、今まで読んだ絲山作品の中で、一番好き好き!!

読む前に
「収録されている3編のうち、「アーリオ オーリオ」がスゴクいい」
と聞いていたけど、どうしてどうして。
3編とも同じぐらい良かった…いんや。
表題作とその続編のが私にはものすごく好みだったと、言い切ってしまおう。




どーしようもないろくでなしの男への想いを綴る恋文のような「袋小路の男」。
「あなた」と二人称を使い、恋愛対象として自分を見てくれない男を、
あたかもアポロンに恋するひまわりのように、
ただひたすら慕い、見つめるだけの私。
慕う側の立場の弱さゆえか、一方的に男に振り回されて、
単なる都合の良い女とされているかのようで…
でも、近づきすぎず遠すぎずの微妙な距離感を保ったままの微妙な関係に
主人公と一緒に、一喜一憂していたように思う。

続く「小田切孝の言い分」では、「袋小路の男」では見えてこなかった
一方的に慕われる側だった男の心中も明かされて。
「ぢつは…」の部分、奇妙な腐れ縁の内実が明かされるのが
まったくもって心憎いのだ。

“恋人未満家族以上”の二人の間には、セックスはない。
セックスなんかしなくても、お互いが互いにとっての一番の理解者であり、
一番近くにいる大切な存在である、そんな関係。
もしかしたら究極の男と女の友情の物語なんじゃないかしらん。
ラストシーンに思わずにんまり&心がぽっと温かくなった私である(*^^*)。
(作中で「あなたは好きな人と一夜を共にして別れるか、
何もないまま毎日会い続けるか」こんな心理テストが引用されるのだけど、
主人公から見た二人の関係は、まさしく後者。
私だったら。うーん。両方!と云いたいけど…やっぱり後者を選んじゃうかも)

                    スペード

お待たせしましたの最後の「アーリオ オーリオ」。
3編まとめての連作集なのかと思ったら、この作品だけ別箇のお話でした。
孤独(孤高?)な男と、彼と同類のような姪っ子との心の交流のお話。
プラネタリウムやら星やらを配し、メールではなく文通が出てくるなんて、
「とても正統な純文学作品だなー」が、私にとっての第一印象。

正直p.138ぐらいまでは、さほどいいとは思わなかったけれど、後半、
主人公の内面がじわじわ滲み出てくるように描写されるようになってくると
「お!お!お!」次第に主人公に惹きつけられていくのだ。
星が好きで朴訥で、生きることに不器用で孤独でもの静かな主人公の日常を
ほんの一時波立てた、姪っ子との交感、、、。
じんわりと胸にしみいるかのよう(*^^*)。
主人公はきっと何年経ってもこのままのような気がするけど、
これから先、一人で孤独を抱えたままの姪っ子はどうなったんだろう、、、。
思わず想いを馳せてしまった、余韻が残るラストも素敵(*^^*)。

ライン−16

これで未読の絲山作品は、最新作『逃亡くそたわけ』のみ。
この作品も、早く読みたいな〜♪
author: 七生子
作家あ行(絲山 秋子) | permalink | comments(4) | trackbacks(6)
 
 

絲山秋子『海の仙人』

海の仙人
海の仙人
絲山 秋子
背負っていかなきゃならない最低限の荷物−それは孤独。海辺の街にひっそりと暮らす青年とふたりの女と出来そこないの神様・ファンタジーが奏でる切ない愛の物語。『新潮』掲載を単行本化。第130回芥川賞候補作。

のんびり気ままな海辺の街での一人暮らし。
その生活にある日「ファンタジー」と名乗る神様が現れた、、、。
前半のまさしく海の仙人な生活を楽しんでる風は、ユーモラスで軽やかでとても好きなのだけど
後半になって「ぢつは…」仙人になりきれない俗な部分が前面に出てくる辺りから
「え〜ッ!あらららら…」雲行きが怪しい展開に(大汗)。
前半と後半で、物語のトーンがまるっきり変わってしまうのが残念なところ。
結局、ファンタジーって何の神様だったのだろう。謎だ、、、。
[お姉さんとの事はあれで決着がついたのかしらん。もやもや。何もかも失って、これから正真正銘の仙人としての再スタートってことなのかしらん?しっかし。かりんとの恋愛って結局は何だったんだろう。片桐の恋を応援してただけに(笑)なんだか恋愛しているようには思えなかったのよねえ。]

でも、相変わらずキャラ設定が秀逸だ。主人公河野にずーっと報われない片思いしてる
ハンサムな片桐さんがいちおしキャラだったりする(*^^*)。
author: 七生子
作家あ行(絲山 秋子) | permalink | comments(4) | trackbacks(4)
 
 

絲山秋子『イッツ・オンリー・トーク』

イッツ・オンリー・トーク
イッツ・オンリー・トーク

表題作「イッツ・オンリー・トーク」と「第七障害」の2編収録。

「イッツ・オンリー・トーク」
だらしな居候の祥一、鬱病のヤクザの安田、痴漢、EDの本間、バッハ、
といったちょー個性的な輩との交流の中から、
この瞬間の「私」の姿が浮かび上がってくるところに面白みを感じた。
「イッツ・オンリー・トーク」全ては無駄話だと笑い飛ばせたら!!
そこはかとなく漂うユーモアとアイロニーが、心地よい作品である。

「第七障害」
オーソドックスな「癒しと再生」の物語。
だけど、その見せ方がとても秀逸な作品なのだと思う。
「私が馬を殺したんだ」罪悪感に苛まれるあまり、
馬との思い出が濃厚に残る群馬を後にして、上京する順子。
彼女の心を、再び群馬へと向かわせる篤というキャラがいい(*^^*)。
(素朴で、なーんか間が抜けてて、憎めないのだ。
恋愛には不向きな弟キャラと見せかけて…最後でうふふ)
絲山さんて、キャラづくりがとっても巧いと思ふ。


私にとっては初絲山作品。とっても堪能しました〜。
作品のイメージは「ゆるがない」かな。
作品世界の完成度も高く、安心して読んでいられるのが魅力(*^^*)。
何度も芥川賞候補作品にノミネートされる理由が、よく分かるなあ。
絲山さん、今後もチェックチェックチェック!!
author: 七生子
作家あ行(絲山 秋子) | permalink | comments(2) | trackbacks(4)
 
 

どこまで行ったらお茶の時間

本を買うのも読むのも借りるのも大好き!
とにかく本が好きな私七生子が、読了本の感想など綴ってます。
ドンナ・マサヨの悪魔 六本指のゴルトベルク 遠くの声に耳を澄ませて 恋細工 ジョーカー・ゲーム きりこについて 山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)