2004.01.31 Saturday
森谷明子『千年の黙 異本源氏物語』
千年の黙―異本源氏物語 | |
森谷 明子 東京創元社 2003-10 売り上げランキング : 167,917 おすすめ平均 紫式部探偵もなかなか面白い 紫式部の巻き込まれた些細な事件、だが、その後ろには・・・? 千年前にタイムトリップしてみたら Amazonで詳しく見る by G-Tools |
【第十三回鮎川哲也賞受賞作】
帝ご寵愛の猫、『源氏物語』幻の巻「かかやく日の宮」――二つの消失事件に紫式部が挑む。平安の世に生きる女性たち、そして彼女たちを取り巻く謎とその解決を鮮やかに描き上げた、大型新人による傑作王朝推理絵巻!
あちこちから勧められ、是非読んでみたいと願っていた作品がようやく読めた!とても嬉しい♪
「平安時代の日常の謎もの」と聞いていたから、ほのぼのしたハートウォーミングな物語を
想像していたけど、とんでもない!
まずは第一部。「猫の失踪」の謎を追う内に、じわじわとこの時代ならではの権力構造が
浮かび上がってくるところがポイント。
それを踏まえた上で、続く第二部で紫式部自身が、いつの間にか消失した「輝く日の宮」の謎を追う。
昨年読んだ丸谷才一『輝く日の宮』とアイデア、黒幕とも共通しているのだが、
随所で解釈の方法が異なっているから、読み比べてみると、とっても面白いと思う。