調査に赴いた屋敷では、当主が行方知れずとなっていた。盗難の跡もなく、事件性の見えない不可解な失踪を探るうち、一行は「謎の画家」の秘密に行き当たる…。表題作他3編を収録。民俗学ミステリ第3弾。『小説新潮』掲載。
中性的な美貌と辛辣さが魅力の異端の民俗学者・蓮丈那智による
民俗学ミステリの第3弾。
「憑代忌」「湖底祀」「棄神祭」「写楽・考」の4編が収録。
『妖怪ハンター』よりも『宗像教授伝奇考』かな?と読む度に思うんだけど
いかがでしょうか?
民俗学にミステリを絡めるだけでも大変(読者としたら大喜びさ♪)そうなのに、
民俗学とミステリ、どちらか一方へと比重を傾かせすぎないバランスの良さ、
そして両方ともに最後に必ず「おぉ!」と驚かせてくれる鮮烈な回答が
ちゃーんと用意されているのが、とっても魅力的な作品なのだ(*^^*)。
民俗学好きにもミステリ好きにも大満足♪垂涎の1冊なのです。
たまたま旅のお供に持参していたので、「湖底祀」を
諏訪湖の夜景を眺めながら読めたのが、とても幸せでございました(*^^*)。
(明石散人の著作で同様のテーマを扱っていたような気がする。けど。
こんなアプローチの仕方もあるんですねー(驚)。見かける度に思い出しそう)
「まんま横溝正史の世界やわ〜(うっとり)」
戦後復活した祭りに秘められた真相に唸った「棄神祭」も面白かったです。
でもなんと云っても、オールスター勢ぞろいと言った感のある
表題作「写楽・考」が、収録作品の中で一番読み応えがあったかも。
「なかなか表題作に辿りつかない。それは何故?」と思いながら読んで、、、
最後でまんまとやられちゃった。お見事!
さんざん語られて手垢がついた感のある写楽も、
ちょっとしたアプローチの仕方で、ここまで新鮮に映るんですね♪
個人的には、前2作の詳細な内容を忘れ去っていたのが致命的だったかしら。
佐江由美子って誰?教務部主任の狐目さんって、こんなキャラだったっけ???
頭の中がはてなマークだらけで読んでいたような(苦笑)。
那智さんにめろめろ&頭が上がらない内藤三國だけが、
記憶に残るそのまんまで、くすくす笑いっぱなしだったのだけど(笑)。
シリーズ最新刊を読んだ記念に、前2作も読み返したい気分です♪
そろそろドラマも放映されるんでしたっけ?
どんだけ原作とかけ離れたものになるのか、見たいような見たくないような…
心中、複雑です(苦笑)。