2009.06.11 Thursday
瀬川深『ミサキラヂオ』
ミサキラヂオ (想像力の文学) 瀬川 深 早川書房 2009-03 by G-Tools |
半島の突端にあるこの港町には、ここ半世紀景気のいい話などなかった。だが、演劇人くずれの水産加工会社社長が、地元ラジオ局を作った時、何かが少し変わり始めた。土産物店主にして作家、観光市場販売員にしてDJ、実業家にして演歌作詞家、詩人の農業青年、天才音楽家の引きこもり女性、ヘビーリスナーの高校生―番組に触れた人々は、季節が移り変わる中、自分の生き方をゆっくりと見出してゆく。自分勝手な法則で番組と混沌とを流し出す奇妙なラジオ局のおかげで…。港町にある小さなラジオ局を舞台に、ひそやかに生きる人々が交差する、太宰治賞作家の意欲作。早川書房から創刊された<想像力の文学>の創刊ラインナップのうちの1冊。
しかも作者である瀬川深さんは、第23回太宰治賞受賞作家でもある!(太宰治賞は現在、大好きな荒川洋治さんが選考委員を務めている。過去に金井美恵子さん、津村記久子さんも受賞されている注目の賞なのだ)
読みたいと思いつつ、残念ながらまだ受賞作は読んでいないのだけど、受賞後初作品が早川書房のレーベルから出版されたということで、興味深く読んだ。
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