2005.10.04 Tuesday
畠中恵『おまけのこ』
おまけのこ | |
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鳴家(やなり)が迷子? そのうえ若だんなが吉原の娘と駆け落ちだって? そりゃ、大変だっ! 愉快な妖怪人情推理帖。「しゃばけ」シリーズ第4弾。『小説新潮』掲載に書下ろしを加えて単行本化。
ご存知、若旦那と妖怪たちがおくる“愉快な妖怪人情推理帖”
「しゃばけ」シリーズの第4弾。
今作品でも、物語の基本コンセプトである
“江戸の怪異を、虚弱体質の若だんなが妖しを従えずばり解決っ!
時には人情モノでほろり泣かせます”
は健在。
けれど、人情モノで「あぁ」しみじみほろりさせる話の方が印象に残ってます。
珍しく今回は、剥き出しになった人間の悪意にぎょっとする部分が少なくて、
若旦那の優しさと妖怪たちが醸し出すほんわかした雰囲気がとても心地良く、
いつまでも作品世界に身も心も委ねていたいのぉ、そんな作品ばかりでした。
印象に残ったのは、
「え?あの若旦那が吉原で花魁と遊んでその上、禿と駆け落ちですって!」
さりげなく織り込まれている当時の吉原事情も興味深く切ない「ありんすこく」に、
甘やかされてはいるものの、機微に敏く他人の痛みが分かる若旦那だからこその
「こわい」も、何ともいえない複雑な余韻が後々まで残って、印象的。
それゆえに妖怪なんですけどねー。心を砕いてしまう若旦那の優しさに泣けちゃいます。
でも、この作品集のイチオシは鳴家のけなげさ勇敢さとかーいらしさに
心臓どきゅーんと打ち抜かれてクラクラしちゃった「おまけのこ」でしょう!
白くて、ふわりと柔らかく光っている「お月様の玉」をつい欲しがったために
とんでもない冒険の旅に出ることになってしまった鳴家(*^^*)。
我が家にも一人ぐらい遊びに来ないかしらん♪きゅわきゅわぎゃいぎゃい。
ラストシーンがものすごくいい。心が和んじゃいます。ああ。
その他の収録作品、あの屏風のぞきが人気急上昇しちゃうかも!?の「畳紙」も、
幼少の若旦那の友情の思い出「動く影」も良かったです。
「動く影」は“お江戸版都市伝説”で、
それに立ち向かうちびっこ探偵団の活躍ぶりのなんと勇ましいことか!
今頃気がついたんですが、収録作品の内容を反映したカバーイラストなんですね!
お椀に乗った鳴家がいるぅ!鳴家のパンツをずり落ろしてるのは於りんちゃんかな?
鳴家が白塗りの厚化粧してるぅ!ひぃ、可笑しすぎ。つい大笑いしちゃったわ。
他の作品のカバーイラストもそんな仕掛けがあるのかしら?
ぜひぜひ確かめてみたい〜。
そして「畳紙」で再登場(たぶん)したお雛ちゃんの初登場話も。
何巻収録の何というお話でしたっけ?ああ、もうすっかり忘れてるわ(苦笑)。
またシリーズの最初から再読しちゃおうかしらん。
ところで、映像化決定の話はどうなったのかしら???
COMMENTS
また楽しみに待つことにします((o(^∇^)o))わくわく
やっぱり畠中さんは、このシリーズが一番好きです!
でも表紙、全然気付いてませんでした…
ちゃんと見なくちゃダメじゃん!>自分
うわあ、前の表紙も全部確かめてみたいです。
お雛ちゃんが前に出てきてたのは、
「ねこのばば」の「花かんざし」かな?
違ってたらごめんなさい。
日本ファンタジーノベル大賞関連本が大好きで、
その縁で読み始めたんですが、もしかして一番ヒットした作品になるかも!?
私もマンネリになっても構わないから、
ずーーっとずーーっと書き続けていって欲しいと願ってます♪
>四季さん
私も私も!私もこのシリーズが大好き♪
いや〜ん。鳴家が可愛いすぎ!ぎゅぎゅぎゅーーーってしたいぃ!
ぬいぐるみのグッズを作ってくれたら、5体は購入しちゃいますね(爆)。
「ねこのばば」ですね。メモメモ。
明日は図書館日(なのにまだ3冊、読んでない〜^^;)なので
借り出してきちゃいます。
そして表紙イラストも!チェックチェック!
「しゃばけ」は中身を反映させてなかった気がするんですが、、、。
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