<< 石田衣良『東京DOLL』*prev
図書館へ行こう! >>*next
 

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -
 
 

野中柊『あなたのそばで』

あなたのそばで
4163242600野中 柊
文藝春秋 2005-09-08
売り上げランキング : 88,082
Amazonで詳しく見る
by G-Tools

いつの日か、きみは僕に出会うよ。僕を好きになるよ−。頁をめくるとたちどころに恋をしたくなる。せつなくて、熱くて、もどかしい、6つの恋の物語。

ファンのクセに、ここ数年で刊行された柊さんの小説は全然読んでいなくて、
ものすご〜く久しぶりに読んだ作品が、この『あなたのそばで』だったんですが、
「わ。いつもの柊さんらしいキュートでチャーミングな小説だ!」
そう思いながら連作集を読み進めて、その3番目の「イノセンス」辺りから
ぐぐぐぐぐっとやられました。
知らない間に着実に小説家として成長し、深みを増していたんですねえ。
大きな驚きと喜びをひしひしと感じました。ああ。至福(*^^*)。

6月から始まって、夏、晩秋、クリスマス、バレンタイン、そして桜の時期と
連作となる6つの物語が収録されているんですが、
印象に残ったのは「イノセンス」と、そして「運命のひと」かなあ。
「運命のひと」は、夫婦の蜜月が終わった空気を感じながらも、
表面上は平静を取り繕って日常を暮す女性の内面の描写が、とてもいいですね。
いわゆる不倫の恋人の存在、夫の愛人らしき若い女の子への嫉妬めいた感情など、
あれこれ複雑な感情を丁寧に描いて、さあ!彼女は結局、どう決断するんだっ!と
読者の期待を煽って煽って煽って、そしてラストで!!きゃあ!巧い、巧すぎ!
「イノセンス」は、亡くなった妹の喪失感が大きすぎて、本気の恋に
なかなか踏み出せない女性の物語。
そんな女性に、決定的な瞬間に訪れたささやか、だけど包み込むような大きな奇蹟。
ラストシーンがとても美しくて印象的で、胸に静かな感動が広がります。
(この作品集、なかなかに心憎い構成の妙もあり。最後は…うふふ。
幸せな春になりますように!)

歳の差カップルの幸せな情景だったり、
先生と生徒の禁断の恋だったり、義姉への片思いだったりと、
いろんな恋のシチュエーションがあるけれど、
でも結局のところはタイトルの「あなたのそばで」へと還元していく。
好きで、好きで、どうしようもなく好きな人と一緒にいられる幸せ。
ただただ真摯で純粋な想いに、素直に胸打たれて、琴線は揺さぶられまくり。
読み終わったら自分の隣にいる大切な人を、ぎゅっと抱き締めたくなる小説かも。
(「オニオングラタンスープ」を読んで、ダンナを邪険にしてる
自分を深く反省しましたよ。そうそう、私にもこんなあま〜い新婚時代が
あったんでした/滝汗)

食いしん坊な柊さんだけあって、各話、美味しそうな食べ物が
幸せな食卓の情景と共に描かれているのも見所かもしれません。
大切な人に、ちゃんと手料理を作って食べさせなくちゃ!
…明日の晩ご飯は肉ジャガだ!(笑)

空腹時に読むと、なおさらお腹が空いちゃってダメかもしれない(笑)。
でも、今のこの時、大切な人を想う、恋する気持ちでいっぱいの本だから
別の意味でお腹がいっぱいになるのかもしれません、きっと(笑)。
author: 七生子
作家な行(野中 柊) | permalink | comments(7) | trackbacks(4)
 
 

スポンサーサイト

author: スポンサードリンク
- | permalink | - | -
 
 
Comments:
初めまして。
温かなレビューが好きです。
(特に『オニオングラタンスープ』なんて微笑ましい。
肉ジャガどうでした?)(^^)

ぜひT.B.させて下さい。
List、勝手に入れてしまいました。
事後報告ですみません。
comment by: ☆すぅ☆ | 2005/10/27 4:20 AM
>☆すぅ☆さん

はじめまして。
コメント&TBありがとうございます。嬉しいです。
Listに加えていただたようで恐縮です。
これからもどうぞよろしくお願いします。

柊さんらしさが散りばめられている
小説だったように思います。食事シーンをも含めて。
久々の柊作品だったんですが、大満足でございました。
オニオングラタンスープ!いいですねー。ぜひ食べたい作りたい!
肉じゃが、読んだ日の晩のおかずに作ろうとして…
まだ作ってませーん^^;。ダメじゃん私^^;。
comment by: 七生子 | 2005/10/27 12:32 PM
はじめまして。
初期のころの野中柊さんの作品が大好きでした。
「空から猫が降ってくる」「食べちゃえ、食べちゃお」
「アンダーソン家のヨメ」「ヨモギアイス」など。。
それで「私は宇宙人」のあたりから、夫に対するテンションが下がってきているな?と思っていたらテレフォンセラピーで離婚と書いてありました。
「チョップスティック」は空元気な感じでした。
「ジャンピングベイビー」はまるで野中さんのフィクション?
「あなたのそぼに」はまだ読んでいません。
よみま〜す。
comment by: バムセ | 2006/04/14 12:00 AM
>バムセさん

はじめまして。コメントありがとうございます♪

私も私も!デヴュー当時からの柊さんのファンです。
ただ最近は、ぜんぜん小説を読んでいなくて、、、、、、滝汗。
本当に久しぶりに読んだ小説だったんです。

柊さん、再婚されたのはご存知ですか?
『参加型猫』はまるで再婚されたダンナさまとの新婚生活の話、
みたいらしいですよ(当然のように、私は積んでますが^^;)。
『ジャンピングベイビー』はまるでフィクションみたいですよね。
いい関係で別れたそうですが、「アンダーソン家のヨメ」なんぞを読み返すと
複雑な思いがします、、、。
(『人魚姫のくつ』って…な内容だったでしょ。
今にして思うと…があったのかなあって。あくまでも想像ですが。
『ダリア』もあんまりな内容だったし/汗)

でもこの『あなたのそばに』はとても素敵な恋愛小説でした。
精神状態が安定していて、どんどんいいお仕事をされてるんだなあと嬉しくなります。

バムセさんもぜひ!
そして私は、積んでる本を消化しようと思います(汗)。
もし良かったら、また遊びに来てくださいね〜♪
comment by: 七生子 | 2006/04/14 9:53 AM
お返事ありがとう!!
・・・のところには何が入るのでしょか?
やっぱり・・・ですか。(何を書いているのか、ワシ)
ところで「人魚姫のくつ」では父親がまりちゃんに
「ポップコーンを出す人形のほうがすきなんだろう?」みたいなことを言うのですが、やっぱり柊さんの好みってそうなのかな?
去年何かの雑誌で柊さんと山田詠美さんが対談をなさっていてそこで柊さんは又新しい恋をしているけれども今は話さない、と言っていました。
編集者のタクボンとも離婚したのかな?と思ってしまいました。タクボンのことは前の夫みたいに夢中って感じが本の中からしないんですよね。
本当のところは知りませんが。
柊さんは精神が安定していないときはわかりますよね。
あと多分摂食障害があるんじゃないかな??
アノレクシアとかブリミア。。


comment by: バムセ | 2006/04/14 7:00 PM
野中柊さんの本、雑誌のダヴィンチの記事をきっかけにはじめて読みました。

普段は女性作家の本はほとんど読みませんが、野中さんの本は楽しく読めました。
comment by: 賢ちゃん | 2006/05/23 9:34 PM
>賢ちゃんさん

こんにちは。コメントありがとうございます。
「ダ・ヴィンチ」でこの作品、紹介されていたんですか!
どんな風に紹介されていたのか、興味があります(笑)。

男性が(なのでしょうか?)読むにはちょっと甘めの恋愛小説かもしれませんが、
楽しく読めたようでよかったですね。
そう聞くと一ファンとして、嬉しいです。
comment by: 七生子 | 2006/05/24 12:07 AM
Leave a comment:






TrackBack URL:
http://naoko1999.jugem.cc/trackback/537
TrackBacks:
恋という奇跡 hReview by ☆すぅ☆ , 2005/10/27 あなたのそばで 野中 柊 文藝春秋 2005-09-08        装丁(松尾たいこ氏だ)とタイトルから、これはもう甘い甘い恋愛小説なんだろうな(あんまり甘いのは苦手)と、心のスイッチを
trackback by: 「女流作家」の楽しみ方! | 2005/10/27 4:21 AM
甘い想い、苦い想い、子供の恋、大人の恋。 恋にはつきものの様々なかたちや思いを描く恋物語が6つ収まった短編集。 『運命のひと』の主人公・恭子は結婚生活9年目。 インテリアデザイナーとして、夫で建築家の俊と仕事もプライベートもパートナーとして支えあっ
trackback by: 書庫  〜30代、女の本棚〜 | 2005/11/04 10:40 AM
 野中柊『あなたのそばで』の感想をこちらに。上手な恋愛小説だと思ったわ〜。イマイチこちらが恋愛モードにうまく入れなかったのが残念。ちょっとだけ不幸な出逢いだったかしら…。恋愛小説は特に、気分次第でどっぷりハマれるときとダメなときがある気がする…。あ、
trackback by: 日々のちょろいも | 2005/11/10 9:52 PM
あなたのそばで 野中 柊 / 文藝春秋「オニオングラタンスープ」「光」「イノセンス」「片恋」 「運命のひと」「さくら咲く」の5篇から成る連作短編集。 この作品も、前の話の脇役が次の話の主役になる、を繰り返す構成。 こういった構成の本というのは意外に多い
trackback by: Four Seasons | 2006/03/12 1:03 PM
 
 

どこまで行ったらお茶の時間

本を買うのも読むのも借りるのも大好き!
とにかく本が好きな私七生子が、読了本の感想など綴ってます。
ドンナ・マサヨの悪魔 六本指のゴルトベルク 遠くの声に耳を澄ませて 恋細工 ジョーカー・ゲーム きりこについて 山魔の如き嗤うもの (ミステリー・リーグ)