2006.06.28 Wednesday
豊島ミホ『陽の子雨の子』
陽の子雨の子 | |
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初めて夕陽が雪枝の家を訪ねる日、押入れの中には、後ろ手に縛られた聡がいた…。不安と希望の間で揺れる、青春の物語。
とにかく前半が、私にはダメダメでした。
核となる雪枝が「ちょっと!ちょっと!ちょっと!(滝汗)」。
言動からしてダメダメだったのが原因で、まるで作品に乗れなくて。
そこんとこフィクションだとは判っていても、
未成年の家出少年を匿って同居してるのって…やっぱりダメなんじゃないの?
ただ彼女の言動の理由が明らかになる後半以降は、どこか寂しさが漂う作品世界に
引き込まれるかのようにして読んじゃったんですけどね。
引っかかる部分が多々あるものの、結果としてかなり好きな作品です。
雪枝が掴まえてしまった少年夕陽と聡の二人の視線によって物語が綴られていくんですが、
この二人、何もかもすべてが正反対なんですね。
今までの陽の光の下での生活を捨て、陰翳ある日本家屋で雪枝と二人、
時が止まったような閉じているから濃密な日々をひっそり送ってきた聡と、
今どきの新築住宅で、屈託のない中学生生活を送る…
まさしく聡が捨ててきた陽の光の下での生活を送る夕陽と。
聡と夕陽、どちらの側から見るかで様相が変わってくると思うんですが、
私は「雨の日の灰色の点々に脅え、心揺らす夕陽14歳のひと夏の物語。
ある夏、ふとしたことから垣間見てしまった寂しい、けど艶めいた大人の世界」として
楽しみました。
前半では単なる訳判んない女でしかなかった雪枝ですが、
年上の大人の女ぶってるけど、結局は24歳の寂しい女の子なんですよね。
そんなところが寂しい者同士、聡を引寄せて共鳴してしまった原因なのかなあと。
読み終えて思ったのは、
いつか夕陽がこの二人が住む家を再訪することがあるのか、ということ。
いつまでも灰色の点々に脅えるだけの無邪気な子供のままでは居られないから。
ただ、止まっていた時が動き出し、変化の予感が暗示されているので、
いつまでも二人で暮らしてるとは思えませんけどね(汗)。暮らしてて欲しいけど。
つか聡!このまま同居を続けるにしろ、一度ちゃんと自宅に帰って顔見せて
両親を安心させなさいよ!とお節介ばばあのように心配しちゃいましたです。
親友松田とのコミカルな会話も楽しい、これぞ青春小説の夕陽のパートが好きなんですが、
光あるところには、必ず陰があるんですよね、、、。
ついつい陰の部分である聡のパートに惹かれてしまいます。
陰の部分が勝ってしまって、バランスの悪さも感じますが、私は結構好きです、この作品。
でも、監禁はいかーん!
雨とその後の夏空が印象的な作品。
これから夏に向う今読むと、空気感やら何やらが手に取るように実感できるかもしれません。
この二人、何もかもすべてが正反対なんですね。
今までの陽の光の下での生活を捨て、陰翳ある日本家屋で雪枝と二人、
時が止まったような閉じているから濃密な日々をひっそり送ってきた聡と、
今どきの新築住宅で、屈託のない中学生生活を送る…
まさしく聡が捨ててきた陽の光の下での生活を送る夕陽と。
聡と夕陽、どちらの側から見るかで様相が変わってくると思うんですが、
私は「雨の日の灰色の点々に脅え、心揺らす夕陽14歳のひと夏の物語。
ある夏、ふとしたことから垣間見てしまった寂しい、けど艶めいた大人の世界」として
楽しみました。
前半では単なる訳判んない女でしかなかった雪枝ですが、
年上の大人の女ぶってるけど、結局は24歳の寂しい女の子なんですよね。
そんなところが寂しい者同士、聡を引寄せて共鳴してしまった原因なのかなあと。
読み終えて思ったのは、
いつか夕陽がこの二人が住む家を再訪することがあるのか、ということ。
いつまでも灰色の点々に脅えるだけの無邪気な子供のままでは居られないから。
ただ、止まっていた時が動き出し、変化の予感が暗示されているので、
いつまでも二人で暮らしてるとは思えませんけどね(汗)。暮らしてて欲しいけど。
つか聡!このまま同居を続けるにしろ、一度ちゃんと自宅に帰って顔見せて
両親を安心させなさいよ!とお節介ばばあのように心配しちゃいましたです。
親友松田とのコミカルな会話も楽しい、これぞ青春小説の夕陽のパートが好きなんですが、
光あるところには、必ず陰があるんですよね、、、。
ついつい陰の部分である聡のパートに惹かれてしまいます。
陰の部分が勝ってしまって、バランスの悪さも感じますが、私は結構好きです、この作品。
でも、監禁はいかーん!
雨とその後の夏空が印象的な作品。
これから夏に向う今読むと、空気感やら何やらが手に取るように実感できるかもしれません。
COMMENTS
豊島さん、連ちゃんですね(笑)
『夜の朝顔』とは本当に対照的な作品で、初めて豊島さんの作品を読まれる方には決してオススメしたくないんだけど、数冊読まれてる方にはちょっと変化があって面白いかもしれません。
でもなんとなく解釈の難しい作品であることも確かだと思います。
あたかも、私は普通の小説だけじゃなくって幅広く書いてゆきますという宣言をしているみたいにも見受けられました。
来月の書き下ろしは向こう3年間恋愛小説を書かない宣言をしているので本当に楽しみです。
心を揺さぶってくれるのかな?
住所、以前お聞きしていた所と同じでいいんですよね。
明日、発送予定でいますのでよろしくお願いします。
ええ。狙って連ちゃんしました(笑)。
でも、先に『夜の朝顔』を読んで正解だったと思います。
なんかこの作品は、あれこれ難しく解釈しなくとも
雰囲気が楽しめさえすればいいような気がしませんか?
梅雨の度に、灰色の点々のエピソードを思い出しそうです。
来月の新刊も楽しみですね。恋愛小説じゃないのかー!
本の件、どうぞよろしくお願いします。
月曜日から家族が夏風邪に倒れてバタバタしていて
メールできなくってすみませんでした(変わりなし、です♪)。
お手隙の時で構いませんので。でも、楽しみにしてます(*^^*)。
お忙しいところ、お手数をおかけしちゃって申し訳ありませんでした。
でも、どんな作品なのか、わくわくしますぅ♪
届いたら、なるたけ早く読みますね。
瀬尾さんの新刊の発売日は7月28日ですね。メモメモ。
購入してしまいそうです〜!
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