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荻原浩『押入れのちよ』

押入れのちよ
押入れのちよ荻原 浩
新潮社 2006-05-19
売り上げランキング : 2059
おすすめ平均 star
star短編集っていいです♪
starハートウォーミングなホラーが著者らしいと思った
star短編でよかった...
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今ならこの物件、かわいい女の子(14歳・明治生まれ)がついてきます…。幽霊とサラリーマンの奇妙な同居を描いた表題作ほか、「木下闇」「殺意のレシピ」「介護の鬼」など全9話を収録した、ぞくりと切ない傑作短編集。

「お母様のロシアのスープ」「コール」「押入れのちよ」「老猫」「殺意のレシピ」
「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」「木下闇」「しんちゃんの自転車」の
9編の作品が収録されている作品集。
てっきり表題作の「押入れのちよ」、つまり押入れに住みついてるちよという名の幽霊と
それに気がついちゃった住人との心温まる交流が描かれた連作集だとばかり思っていたので、
短編集なのに驚いちゃいました。
しかも、え??何これ?もしかしてホラー作品集?
ホラーというよりは、奇妙な味わいのある作品集とでも言えばいいのか。
「荻原さんてこんな作品も書かれるのか。意外!」と思いながら、さくっと読了。
お母さまのロシアのスープ
“物語の語り手となる人物が誰なのか”が、キモになる作品だと思ったら!そうくるか!
小説ならではの作品ですな。肉、肉、肉。肉が気になります。。。

コール
男2人に女1人の友情の行方。
どうってことない話だけど、見せ方が巧い。この作品も、小説ならではですねえ。
怪談ではあるものの、作者が狙ってるのはつんとくる切なさ。
p.57の15行目を読んで「えええええ!なんですっと!?」
慌てて冒頭に戻って読み返しちゃいましたともさ。見事にやられちゃって悔しい〜!

押入れのちよ
築35年のボロアパートに引っ越してきたら、
そこには明治生まれのちんまい女の子、ちよがいた、、、。
ちよと主人公の心温まる交流のようすがいいですねー。
かるぴすとビーフジャーキーが大好きなちよが微笑ましくって、思わずにまにま。
なので、思いがけないアレは、なーんか蛇足だったような気がする。
ま、しっかと伏線があったにもかかわらず、まるで気がつかなかったけど(汗)。
なぜそこにちよが住みつくことになったのかとか、ちよのこれからとか、
きっちり話に決着をつけて欲しいー!連作の続編希望〜♪

老猫
わ、わ、わ!「年取った猫は、別の生き物になる」を地でいくような正真正銘の猫怪談。
ラストに向けて、次第に緊迫感が高まってくところがたまりません。怖いっ!
すべてを明らかにせず、曖昧を曖昧のままにしておくところなんか、なおさら!

殺意のレシピ
夫婦仲が冷え切っている夫婦の最後の食卓。
夫は妻を、事故を装って殺そうと企てるのだが、、、。
ブラック。だけど、ドタバタコメディの感、強し。どっちもどっちなのね(苦笑)。
中途半端で終えてしまってツマンナイです、はい。

介護の鬼
タイトルが意味深なブラックな話。
やや悪ノリしすぎと思わないでもないが、受け止め方が人によって異なりそう。
人によってはホラーだったり、願望だったり(汗)。
[このタイトル、“介護してるうちに鬼になっちゃった嫁”かと読み始めて思ったけど、“介護されているうちに鬼と化した舅”なのかしら(汗)。この鬼ごっこ、恐怖/汗。]
どっちもどっちなので、どちらにも声援が送れない(汗)。むむむ。

予期せぬ訪問者
シチュエーション・コメディ。
つい過って愛人を殺害。死体をどうしようか思い悩んでるところに、
清掃業者が訪ねて来ちゃったから、さあ大変!!
主人公に思いっきり感情移入してしまい、思わず一緒にあたふたあたふた(笑)。
一難去ってまた一難のラストに、ついくすり笑っちゃいました(笑)。

木下闇
私には15年前に行方不明になった妹がいる。
妹がいなくなった親戚の家を15年ぶりに訪ねた私、、、。
妹の失踪の真相をサスペンスタッチに描いた話。
真相は、引っ張った割にはある意味あっけなかったかな。
すべて明らかにせず、含みを持たせたまま終えても良かったかと。
ただ、くすの木の巨木が落とす影の濃さ、ひんやりした空気、
木々のざわめきなどなど、何ともいえない雰囲気がいい。
直前の「予期せぬ訪問者」と文体も雰囲気もがらりと変わっていて、
作品集内での配置の仕方もお見事。

しんちゃんの自転車
「コール」と同様、怖い話ではあるものの、つんと切ない郷愁の物語。
ただ、もっとはっきり女性のモノローグだと判るように
書けば良かったのにと思います。それがちと残念。
ちらり「朱川さんだったらどう書くのかな?」なーんて思っちゃった(汗)。



一編一編は確かに巧いんだけど、作品集としてまとめると、結構バラバラですねえ。
9編のうち、1番好みだったのは「押入れのちよ」かな、やっぱり。
「お母様のロシアのスープ」「木下闇」「しんちゃんの自転車」の
ホラーだけどちょっと切ない話や、奇妙な味わいの作品も好み。
筒井康隆風ブラックな作品や、怖がらせるホラーも巧いんですね、荻原さんて。
意外な一面を垣間見た気分です。
author: 七生子
作家あ行(荻原 浩) | permalink | comments(2) | trackbacks(1)
 
 

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Comments:
まぁまとまりのない短編集ではありましたが、
「押入れのちよ」は良かったですね。
でも一番良かったのは「お母さまのロシアのスープ」ですが。
ラストで衝撃の事実!
でも枯葉剤何たらで気付くべき?
肉は・・・やっぱりあの肉なんだろうなぁ〜と思ったら
一番怖いお話かもです。
comment by: す〜さん | 2006/07/11 6:56 PM
>す〜さん

こんにちは!コメントありがとうございます。

なーんか傾向が似てる短編を一冊にまとめて出版しちゃえ!って感が強い短編集でしたね。
『明日の記憶』とか感動系の小説しか読んでないので、とっても驚きました(汗)。

「押入れのちよ」、良かったですね。
ちっとも怖くないばかりか、心温まる幽霊譚だなんて!(笑)
「お母さまのロシアのスープ」、驚きの真相よりも何よりも
肉のが気になります。怖いっ!
でもやっぱり、母の愛に感動するべきなんでしょうね(汗)。
comment by: 七生子 | 2006/07/12 11:16 AM
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ぞくりと切ない9夜の物語。 本屋であまり見ないんだけど、 どこも置いてないんだろうか? たまたま一冊置いてあったのを購入しました。 9作からなる短編集。 どの話しも少し怖くて、少し切ない。 そんな怪談話
trackback by: My Favorite Books | 2006/07/11 8:43 PM
 
 

どこまで行ったらお茶の時間

本を買うのも読むのも借りるのも大好き!
とにかく本が好きな私七生子が、読了本の感想など綴ってます。
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