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山白朝子『山白朝子短篇集 死者のための音楽』

4840120927山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽BOOKS)
山白朝子
メディアファクトリー 2007-11-14
by G-Tools

これは愛の短篇集だ。
怪談専門誌『幽』の連載で話題沸騰の大型新人、待望の初単行本化。
怪談専門誌『幽』2号から7号までに連載された6篇の怪談短編に、書き下ろし作品を加えた愛と哀しみの短編集。幻想的な異界への境界と、親と子を描いた叙情的な物語は、怪談ファンのみならず幅広い読者の支持を得る。待望の初単行本。

謎の新人作家(そして覆面作家!)、山白朝子の短篇集。
「いい。読むべし!」とススメられて読んでみたら、とても素晴らしかった。
私からも、オススメです(笑)。

JUGEMテーマ:読書


ジャンルでいえばホラーなんでしょうが、ただ怖がらせるだけの物語ではなく
湿り気のある怪異譚や闇が凝った昔話風の物語など、
一口で言い表すのが難しい作品ばかり。
死と闇の気配が作品から濃厚に浮かび上がってきて、血飛沫が飛び、実写不可。
確かに目を覆いたくなるおぞましい作品ばかりなのだけど、
不思議と読了感が悪くないのは、「恐怖」という感情よりも、
愛ゆえにままならぬもどかしさ、哀切の感情を揺さぶられるからだろう。
どの作品も、琴線に触れる物語ばかり。
物語の語りも上手く、作者が描き出すこの世の光景とは思えぬ
幻想的で哀しみに満ちた作品世界に絡め取られ深く没入しながら、
最後まで一気に読み終えたのだった。

私の好みは、ホラーというよりは不思議譚というか、まったく怖ろしくない、
そればかりか母親と娘の間に流れる温かい情愛に感情を揺さぶられて涙した
不思議な調べをめぐる物語である表題作「死者のための音楽」、
語り手を次々と変えながら、冒頭の部分に帰ってゆく「鬼物語」、
怪鳥の恩返し?切なさの中にユーモアがある「鳥とファロッキーズ現象について」、
闇の中からぼっと浮かび上がってくるような「井戸を下りる」、
昔話風の因果譚「長い旅のはじまり」など。

この本、装丁が凝りに凝ってるんですよね。
しおりが…(怖)。
読んでる最中にふとしおりが目に入ったもののしおりには見えず、
ぎょっとしたのはこの私。
結局、このしおりを使わずに読み切ってしまった。トホホ。
小口の部分から…も、おおお。
今までありそうで、なかったかも、こんな装丁。

そういえばこの山白朝子さんて、覆面作家なのだとか。
読んで確信したけど、やっぱり漢字2文字の作家さんでしょう。
いつ公表されるのかしらん???

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author: 七生子
ジャンル別(SF&ホラー&FT) | permalink | comments(4) | trackbacks(1)
 
 

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Comments:
七生子さんの感想を読んでいて、うんうん、と頷いてました。
そうなんだよねー血もあるのに私がオッケーだったのは(笑)、語りの面白さなんだよねー。私も表題作泣いたわ。井戸を下りる、なんて本当にありそうなところが更に怖いよね。井戸見たら今度覗いちゃうわ!

これ買えばよかったなあと思った。
ただ栞を切りそうだけど、その場合(爆)
これ表紙とったらどんな感じでした?
真っ赤だったら怖いね怖いね。きゃ。
comment by: ともきち | 2007/12/13 7:33 PM
>ともきちさん

コメントありがとうございまーす♪
うんうん。本当に語りが上手い作家ですよね。
語られる光景が鮮やかに目に浮かび、
怖ろしい物語なのについつい夢中になって読み耽ってましたもん。
やっぱりこの作者は…でしょうね。うふふっ。

栞は、読んでてぱっと目に入ると
ぞっとしますよね。どう見てもアレにしか見えないし(汗)。
今、手元にないんですが、下のデザインが透けて見えて
あの白い装丁になってたと思います。
真っ赤な装丁ではないので、ご安心くださいませ〜。
comment by: 七生子 | 2007/12/14 1:45 PM
七生子さん、こんにちは!
ああ、七生子さんの感想読ませていただいてまたうるうるしちゃいました。
素敵なレビューだわ。
本当に七生子さんのおっしゃるとおり、私の思いが全てここにある!って読みながら興奮しちゃいました(笑)
美しい幻想文学を読んでいるようで本当に読み耽る、って言葉が正しいような気がしますわ。

し、栞!あえて自分の感想では無視したんですが(泣)
あれゾッとしますね。夜とかふっと目に入っちゃうともうもう悪夢見そう。
なんで栞は使わずにそのまんまです…。
comment by: リサ | 2008/01/16 6:30 PM
>リサさん

コメントありがとうございます〜♪
リサさんにそんな風に言っていただいちゃうと照れますがな。
それにしても感情を揺さぶりまくる素敵な(怪奇譚だけど/汗)
作品集でしたねん!!

ああ、やっぱり(握手)。
私もあの栞は使えませんでした。だって、見間違えそうで怖いんですもん。
あの栞のアイデアは、ホラー小説にぴったりですねえ。
今まで誰も思いつかなかったのが不思議なぐらいに(怖)。
comment by: 七生子 | 2008/01/17 8:44 AM
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山白朝子短篇集 死者のための音楽 山白朝子/メディアファクトリー これは愛の短篇集だ。 6篇の怪談短編に、書き下ろし作品を加えた愛と哀しみの短編集。幻想的な異界への境界と、親と子を描いた叙情的な物語。美しい装丁に魅せられる。作品『死者のための音楽』も実
trackback by: ひなたでゆるり | 2008/01/16 6:25 PM
 
 

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本を買うのも読むのも借りるのも大好き!
とにかく本が好きな私七生子が、読了本の感想など綴ってます。
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