2008.03.25 Tuesday
たらいまわし-本のTB企画 第43回「音とリズムの文学散歩」
第43回のたら企画がスタートしました。
今回の主催者さまは「おかぼれもん。」のpicoさんです。
今回のお題は「音とリズムの文学散歩」。
●小説に登場した心を捉えて離さない音楽
●または小説の世界に興味を抱き実際に聴いてみた音楽
●好みの音楽が登場して親近感が沸いた小説
●小説に登場する気になる音とリズム、オノマトペ
●文体のリズムが踊り小説自体がすでに音楽と化している
●小説に感化され楽器(音楽)をはじめたくなった
などなど、音楽を感じ音楽を抱きしめた文学を教えてください。
春の足音とか、そのオノマトペはどうなのか等のつっこみも大歓迎!
とのこと。
音楽の使い方がとても印象的で効果的な小説が、まま存在しますもんね。
小説世界と分かちがたいぐらいに調べが密接に絡み合った結果、
音色を耳にした瞬間、その小説のことがくっきりと想起されることも。
私ってものすごーーーっく物を知らない女なので、
1冊の本をきっかけに、素敵な作曲家や曲を教えてもらう…ということが
日常的にちょくちょくあったりして(笑)。
という訳で、
“小説を読んだことを契機にして、CDを買っちゃった&
どんな調べなのか、曲を聴いちゃったよ”な作品をご紹介しようと思います。
ダブってる本があったら、ゴメンなさい。
JUGEMテーマ:読書
まずは恩田陸『ライオンハート』。
ライオンハート 恩田 陸 新潮社 2000-12 by G-Tools |
萩尾望都「ヴィオリータ」へのオマージュなんでしたっけ?
時空を超えて、邂逅を繰り返すエリザベスとエドワードの不思議なラブストーリ。
各話にモチーフとなる絵画があって、絵画から想起された物語として印象的。
で、このタイトル、特に物語とは関係ないんですが、、、
ケイト・ブッシュの曲のタイトルに由来すると知り、ソッコーで入手。
何年か前の大掃除の際のBGMとして、何度も何度も繰り返して聴いた記憶が。
ケイト・ブッシュの甘く脳髄に突き刺さるようなハイトーンボイスが
なんともいえず素敵な曲なんですよね。
「ライオンハート」と聞くと、某5人組の著名な曲ではなく
サビの部分を歌い上げるケイトの歌声が、脳内でリフレインする私です。
ライオンハート(紙ジャケット仕様) ケイト・ブッシュ EMIミュージック・ジャパン 2005-11-02 by G-Tools |
次に、山之口洋『完全演技者』。
完全演技者 山之口 洋 角川書店 2005-08-31 by G-Tools |
読んだ途端に「このネモのモデルはクラウス・ノミだろ!」すぐに判り、
ものすごーーーーーーーーーーーーーーーっく興奮した1冊だったりする(笑)。
って、クラウス・ノミがどんな人だったのか知ってる人には
先の展開が読めてしまうのが難点なんですけどね(汗)。
読み終えた途端にCDにDVDも買ったもんなあ、、、。
クラウス・ノミ。
あの歌声にビジュアルは、一度見たり聴いたら脳みそに刻み込まれて、
決して忘れられません(笑)。
私が買ったのは、コレ。
アマゾンで注文する前にカスタマーレビューを読んでいたら、、、
山之口洋さんご自身がレビューを投稿されていて、驚いたっけ。
私はやっぱり「トータル・イクリプス」が好き好き(はあと)。
オペラ・ロック(紙ジャケット仕様) クラウス・ノミ BMG JAPAN 2005-05-25 by G-Tools |
「トータル・イクリプス」を歌うノミ。
本を読み終えてからどうぞ〜。
以前のたら企画で紹介した気もするけど、新井満『ヴィクサシオン』も。
今どき新井満と言ったら「千の風になって」の人なんでしょうが、
私にとっては「サティの人」だったりする(笑)。
確かこの『ヴィクサシオン』で、サティという風変わりな作曲家の存在を
教えて貰った気がします。
この小説を読んで以来、「ヴェクサシオン」を聞いてみたいと思っていたんですが、
実質的にCD収録不可能だし、夢は夢のまま、終わってしまいそうです、、、(涙)。
新井満の著作にはサティを扱った小説に、紀行本もあります。
エッフェル塔の黒猫 新井 満 講談社 1999-05 by G-Tools |
オンフルールの少年 新井 満 マガジンハウス 1992-11 by G-Tools |
サティ紀行―ノルマンディー・パリ音楽の旅 新井 満 主婦の友社 1990-11 by G-Tools |
そうそう3月17日にNHK-hiで放映された「ハイビジョン特集 サティのうた」、
3月31日の午前9時から再放送されるようです(嬉)。
BSが見れる環境で見逃した方はぜひ。
*
次、“CDは買わなかったけど、どんな曲なのか探して聴いちゃったよ”な曲と本のご紹介です。
最近の本ばかりで恐縮なんですが、まずは村上春樹・和田誠『村上ソングズ』。
村上ソングズ 村上 春樹 和田 誠 中央公論新社 2007-12 by G-Tools |
春樹さんのジャズコレクションの中からお気に入りの曲を紹介してくれるという
ものすごーーーーーーーっく贅沢な一冊。
欠点があるとしたら、歌詞とエッセイでどんな曲なのかは紹介してはくれるものの
肝心の曲は聴けないことかな。CDつけてどの曲も聴けるようにしてくれたら、
いくらでもいいから買ったのに!!
懸命に音源を探してブログで紹介してくださった方もいらしたけど、
私にはYouTubeで動画を探すのがせいぜいだった。orz。
でも探した2曲、苦労しただけあって、印象深いですわ〜。
シェールが歌う「Bang Bang」
ナンシー・シナトラが歌う「Bang Bang」
The Doorsの「Moonlight Drive」
私自身はあまりいいビートルズのファンではないんですが、
作品内で使われる頻度がめちゃくちゃ高いから、つい気になってしまいます。
村上春樹『ノルウェイの森』の「ノルウェイの森」が有名すぎるほど有名ですが、
最近の伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』は、
ビートルズの同タイトルの曲に由来し、何度も引用されて使われているし、
川上健一『翼はいつまでも』では、“ビートルズの曲=青春”と象徴的で、
「お願い・お願い・わたし」が思わずリフレイン(笑)。
中村航『ぐるぐるまわるすべり台』にも「ヘルタースケルター」が流れる。
“小説で使われたビートルズコレクション”なーんてCDがもし販売されたら、
思わず買ってしまいそう〜。
私自身、あまり岡村孝子の曲が好きではなくて、
だからこそ小説の内容ともどもインパクトが強かったのが
天童荒太の『孤独の歌声』。
孤独の歌声 (新潮文庫) 天童 荒太 新潮社 1997-02 by G-Tools |
画像がなくて全面改稿された文庫版の画像を使ったけど、
私が読んだのは単行本版。
どう変わったのか、再読していないので確認できないんですが、
内容が、、、とにかくショッキングな作品でした。
犯人が愛聴する曲が岡村孝子「夢をあきらめないで」で、
いかにもな使われ方がなんとも、、、気持ちが悪い(苦笑)。
この曲を聞くたびにヘビーな内容を思い出して、げんなりしちゃう私です。
(もしかして文庫版、10年以上積んでる?ぎゃあ!いい加減、読まねばっ!
読んで悪い印象を払しょくせねばっ!)
調子に乗っていろいろ挙げていたら、長くなっちゃったのでこのヘンで。
同時に企画された「たら本ヒットチャート」、どの曲で投票しようかしらん。
COMMENTS
ご参加ありがとうございます。
嬉しくて、さきほどから、子供のように画面を上から下へとスクロールしまくってます。(笑)
小説で使われたビートルズコレクション、欲しいです。
作ってみようかしらん。。。^^
そして、クラウス・ノミですか!?
きゃあああああああ。(壊)
山之口洋さんは、ファンタジーノベル大賞のオルガニストを読まなくては!と思っていたのですが、その前にこんな隠しだま(?)があったとわ。
さっそく、読みます!!!
他にも、村上ソングスもまだだし・・・はあはあ。(なぜか、過呼吸)
ひとまず、ありがとうございました。
ヒットチャートも楽しみにしてますね。
では、夜改めて、ゆっくりお散歩しにきます。
2度目の主催者さま、お疲れさまでした。
そして、素敵なお題をありがとうございました。
ついあれこれ欲張って挙げてしまって、、、こんなんなっちゃいました。てへ。
実現したら、素晴らしいですよね>“小説で使われたビートルズコレクション”。
私が欲しくなるぐらいだから、ぜーったいに売れると思うんですけどね。
音源を探して、自分で集めてみようかなって
そこまでビートルズに思い入れがないんですけどね(汗)。
ので、picoさん、ぜひぜひ作ってくださいませ(はあと)。
で、で、で!クラウス・ノミですよ!
小説に音楽が使われることがあっても、私にとって思い入れのある曲とは、ちょっとズレてるんですよね。
80年代のポップスというどんぴしゃフィットした曲が使われたのがこの作品で、ものすごーく興奮いたしましたの。
picoさんもぜひぜひ。そしてノミの魅力に打ちのめされましょ〜(笑)。
つい興奮して挙げてしまいましたが、ちょっと主旨とはズレてたかな?>『村上ソングズ』。
でもね、たまらなく音楽が聞きたくなるんですよ〜。
ぜひぜひぜひ!ジャズの知識がなくても楽しめますので。
たくさん紹介されてて、わくわくしちゃいました。
サティの『ヴィクサシオン』、楽譜持ってますよん。うふふ
お送りしましょうか。
楽譜自体は三段で、短い曲。なので3回くらい弾いて終わればそれでいいじゃないの、サティ先生・・・って思うんですが。。それじゃあ、いけないんですよね。
ノルウェイの森=ビートルズの曲は、メランコリックで不思議な感じが小説にぴったりでしたね。
伊坂の「ゴールデン・スランバー」ビートルズも、読んだ時何度の聴いちゃいました♪
ケイト・ブッシュのこの曲、大好きでした。レコード持ってます。恩田さんの『ライオン・ハート』も絵画も出てくるし気に入ってます
あっ、でも最近の人は『ライオンハート』って言えば、スマップを思い浮かべるそうですよ。
ケイト・ブッシュの「ライオンハート」、私も大好きです!
大学時代にハマってたので、私にしては珍しく
本を読む前から知ってる曲でした。(^^ゞ
バンド友達でケイト・ブッシュの雰囲気を出せるボーカルがいたので
実際にやったこともあるんですよ〜。>ケイト・ブッシュ
その時は「ライオンハート」じゃなくて、「嵐ヶ丘」でしたが。
恩田さんの「ライオン・ハート」もロマンティックで好き好き♪
そして山之口洋さん、実は「オルガニスト」も考えてたんですが
以前にも出してるので、今回は見送ったのでした。
でも「完全演技者」は未読なんです。うわー、面白そう!
これはぜひとも読んでみなくちゃいけないですね。
クラウス・ノミのCDも欲しいです〜。
実は私、恩田さんのライオンハートはスマップの方だと勝手に思いこんでました…(汗
ケイト・ブッシュだと思わなかったのは何故かしら??
ああ、懐かしいです。聴きたくなりますねえ。
ケイト・ブッシュ、ピーターガブリエル…あのあたりにうっとりしていた時期が、私にもありました。
あわわ、本のほうも音楽のほうも知らないものばかり…;;
ケイト・ブッシュとクラウス・ノミ…さっそく聞きに行こうと思います。
もちろん、本のほうも!
恩田陸さんのも興味深いですが、萩尾望都「ヴィオリータ」面白そうです^^
>“小説で使われたビートルズコレクション”。
私も欲しいです!
こんにちはー!コメントありがとうございます♪
お返事が遅くなってしまって、すみません。
「ヴィクサシオン」の楽譜を持ってらっしゃるとは、さすが、ワルツさん!
でも悲しいことに、「ジムノペディ」さえも弾けない女だったりするんですよね(号泣)。
以前「トリビア」だかで“完全演奏”する様子を数分で紹介してましたが(笑)、私も「もうちょっと回数をまけてくださいよう、サティ先生!」と言いたくなります(笑)。
ビートルズの曲は、やはり使われる頻度が高いですねー。
曲を聴きながら読むのが、極めて正しい『ゴールデンスランバー』の嗜み方だと思います(笑)。
レコードまで持ってらっしゃるなんてー!ワルツさん、素晴らしすぎますわ(はあと)。
ケイト・ブッシュ、コケティッシュな特異な個性が大好きでございます。
あ、せっかくだから、これもYouTubeで動画を探せばよかったかしらん。
スマップ版も素敵な曲だとは思うんですけどね。
もうケイト・ブッシュ版「ライオンハート」で刷り込まれてます(笑)。
こんにちは!コメントありがとうございます〜♪
自分が知っている曲が小説内で使われてるのって、最高の喜びですよね。
それを「ライオンハート」で味わえたなんてー!きゃあ!羨ましいですわ。
しかもバンドで演奏までされてるし!きゃあきゃあ。
ますます四季さんに惚れてしまいそう(笑)。
> ケイト・ブッシュの雰囲気を出せるボーカル
この箇所に、激しく妄想中(笑)。
タイムマシーンがあったら、こっそりライブを聴きに行くのにっ!(笑)
私も恩田さんの『ライオンハート』が大好き〜♪こういう生まれ変わっても何度でもすれ違ってしまう恋人たち…っていう設定の話がツボのようです、私(笑)。
80年代ポップスの空気が描かれてるので、知ってる人にはたまらない作品なんじゃないかと思います>「完全演技者」。
読んだらぜーったいにCDが聴きたくなりますから(笑)。
存在そのものが、強烈すぎるほど強烈です、、、>ノミ。
こんにちは。コメントありがとうございます。
そして!祝!たら企画デヴュー♪
て、本当に初めてでしたっけ?
たら企画では初めましてな感じが、まったくしませんよ(笑)。
ちょうどスマップの「ライオンハート」が流行ってた頃に、恩田版「ライオンハート」も刊行された気がします。
私もtarikoさんと一緒で、最初はスマップの方かと思ってた気がします。
ケイトの歌声は、一度耳にすると忘れられないですね。
こんにちは。コメントありがとうござます♪
文学と音楽って相性がいいですものね。
私もみなさんのエントリを拝見しては
「こんな作品&曲があったのか!」
読みたい本&聴いてみたい曲リストを長くしてます(笑)。
せっかくだからケイト・ブッシュとクラウス・ノミの動画、YouTubeで探してあったら貼り付けておきますねん。
ご賛同いただき、ありがとうございます(はあと)>“小説で使われたビートルズコレクション”。
ぜーったいに売れると思うんですけどね。
少なくとも3枚は売れますよね(笑)。
おお、サティ。
日本でサティブームが起こる前、はまったのが一応自慢ですww お陰で高い外国版の楽譜がごろごろしてます。
「ヴェクサシオン」日本で演奏会があったんですよ。
詳しくは、Wikipediaで。
演奏会のあと、音楽雑誌に演奏した方のインタビューが出てましたが(一人4回が5回繰りかえして変わるって形にしてたそうです)「弾いてるとなんともいえない高揚感に包まれて…」みたいなことが書かれていたのを覚えています。
多分、そういうところがサティの魅力というか、魔力。
って、なんか脱線してますが、サティ好きにお会いすると高揚していまうので。
すみませんm(__)m
こんにちはー。コメントありがとうございます。
Wikipedia、読んできました(笑)。
わはははは。「ヴィクサシオン」で“嫌がらせ”の意なんですね(笑)。
日本でも公演があったなんて!…微妙に演奏の前に生まれてました(汗)。
昨日読んでいた萩尾望都のコミックスに
「ピアノを弾いててすーーっと天国に近くなる…」というシーンがあって
印象的だったんですが、そんな感じなのかしらん。
音楽の神秘に触れることができるピアニストの方には、畏敬の念を抱いちゃいます。
サティが一番好きだけど、ドビュッシーにラヴェルも好きなミーハーでございます。
このヘンは、私の場合、ダンナの影響なんですけどねん。
久しぶりにサティの曲が聴きたくなりました〜。
胎教用に買ってまだ全部聴いてない輸入盤5枚組のサティBOXがあったりして(汗)。
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